Sea to Summit day1

ナオキ

2010年05月08日 10:52


   いよいよGWがやってきた!日本海からスタートして中国地方の名峰大山まで登りきる「Sea to Summit 1729m」を実行するときがきたんだ。本当はそのまままだ先の犬鋏峠までのコースを妄想していたが、そこまでの時間がないので今回は主峰大山までとした。

相方はGW関係なく仕事で月曜日のみが休みだったので、その日は一緒にいることにして、計画を実行することができるのは5月4日から5日までのGW最後の2日間だった。
月曜日は実家でBBQパーティだったがアルコールを飲むのをしっかりセーブして、翌日からの山行に備えた。
飲めない分、張り切って焼き方をしていると、お気に入りの鯉柄のアロハシャツが焼けて小さな穴が開いてしまった。

開いた穴にショックを隠せないまま23時就寝、3時に起床して倉敷を出発する。
   まずは溝口のICで降りて夏山登山道のある南光河原駐車場へ行き、登山届けを出す。
南光河原駐車場や下山野営場はもう車で溢れていて、多くの登山者がいる。さすがはGWだなぁって感じた。

登山届けを出すのと同時にやりたかったのが水汲みだ。せっかく大山に登るんだから飲み水はもちろん大山から湧き出す水のほうがいいに決まってるので、横手橋のところにある大山の名水で、かつての参詣客はこの水で身を清めたといわれる「清浄泉」をしっかり4リットル汲む。

スタート地点としていた赤碕まで行き、9号線を走りながらポプラを過ぎて直ぐを、この辺かなって左に入るとまあ見事なまでに空き地を発見。

荷物を広げて装備を確認してパッキングしたり、靴擦れ防止のために足にワセリンをしっかりと塗ったり、釣り人に不思議がられながら準備する。

35リットルのバックパックがパンパンになり、さすがに水4リットルは多いかなって思い、空き地に在ったお地蔵さんに1リットルくらいお水をあげる。

(7:04)
これでバッチリだ!って思いながら海岸まで行き、ゴロゴロした丸い石が波で洗われるのを見ながら静かにスタートする。


大山はまだ遥か遠く、薄っすらとだけ姿を見せている。
しかし遠いなぁ…。


   光地区の外れにあるここから砂利道となり山域の入り口となる。ここには「小田神社」があり、そこで今回の山行の無事を祈願する。
ここまで少し歩いてみてサポートタイツを直穿きしたせいか、股擦れの危険を感じたので、神社の影でXポイントにワセリンを塗る。
山域に入り、始めはしっかりと車の通った跡のついた砂利道で快適に鼻歌まじりで歩く。しかし心の中に少し不安があった。

地図ではこの道はやがて破線となり、更には無くなるようにで表示されていたので、どんどん細くなり、やがては道がなくなってしまうということだ。なので道が無くなるとその先は藪こぎだと覚悟していた。
しかしもし藪がキツ過ぎたりしてその先の道路の出会いまで行くことが出来ず、また元の光地区まで戻ることになってしまい、別の車道から行かなくちゃならなくなるんじゃないだろうか…。
もしそうなったら今日の行程が大分狂うことになってしまう。
案の定、道はなくなった。地図上ではまだ破線の部分なのに…。予定していた場所よりも早くから藪こぎとなった。しかしどうやら先には進めそうな気配なので少しホッとした。

お尻に穴の開いたモンベルのレインパンツ兼藪こぎパンツを重ね穿きして藪の中へ分け入る。
上は半袖なので小枝に引っかかれてあっという間に腕が傷まみれになる。

昔は人が通行できる道がずっとあったんだろう、道らしきくぼみが続いている。しかしそれを信用すると危険なので地形図を見ながら現在地を把握しようとするが、背丈以上の笹にまみれて見通しが悪く、なかなか把握することが出来ない。ついついGPSのお世話になる。ハァ、まだまだだな…。

(9:57)
GPSに頼り、情けないながらもどうにか道路の出会いまで出ることができた。
ここから船入山までは舗装路を歩くことになる。

藪こぎで草や埃まみれになり、何だか身体もチクチク痒いので服を脱いで身体をはたいて小休止を取る。

舗装路をしばらく歩くと船上山が見えてきた。結構急な登りがありそうな山に見える。

(10:56)
   登ってみると案外楽勝で30分ほどで船上山避難小屋に着く。
避難小屋近くにある案内図に、ここから大山まで続く登山道を「大山登山道縦走路」というのだと知る。

さらにもうしばらく歩くと容易に船上神社まで来ることが出来た。
ここでもう一度山行の無事を祈願する。
ここから勝田ヶ山まではとてもよく整備された登山道で気持ち良く進んでいく。少し登りになっているが、今回はストックを突いて歩いているので足取りも軽い。程よい光の差し込むブナ林だ。

途中ベテランの登山者に色々と先のアドバイスをいただく。
色々といただいたアドバイスの中で大休峠の避難小屋近くに水場があると聞いた。

この日の天気はピーカンで気温も高く、ここまでで既に1リットル以上の水を飲んでいた。
「山と高原地図」では大休峠には水場のマークが印されていなかったので、この先かなり水分をセーブしなければならないと考えていたので、とてもありがたい情報だった。
しかし、もしもの場合を考えて水分を取る量を可能な限り減らすことにした。
勝田ヶ山へ向かう途中の941m地点を過ぎた辺りで12時過ぎだったので昼飯を食べる。
スタートして直ぐのポプラでおにぎりを2つ買っていたのでそれをペロッと平らげた。水をセーブしてると案外食べにくい。
そしてしばらく休憩して、ストレッチをして、足にワセリンを塗り直す。

(13:08)
勝田ヶ山頂上着。
アドバイスだとここから甲ヶ山までも比較的楽に歩けるとのこと。ただ1ヶ所甲ヶ山直前の「ゴジラの背」を除く…。

そして噂のゴジラの背に着いた。
向こうから先客が渡っていたのでしばらく手前で様子を見る。

なかなかスリリングで怖そうだ。アドバイスを頂いてた通り、途中までは脇を岩に沿って進み、真ん中辺りで岩を登るようになるみたいだ。

(13:57)
   なかなかのスリルを味わいながら、無事に通過することができて甲ヶ山の頂に立つ。
展望も良く、少し風が吹いていて気持ち良い。

先ほどのベテラン登山者にゴジラの背以上に甲ヶ山から矢筈ヶ山へと向かう下りを気をつけなさいとアドバイスを頂いてた。
かなり急な岩場を丁寧に慎重に下る。雨が降って岩が濡れてたらもっと大変な下りとなるだろうが、今回はカラカラに乾いていたので助かった。

岩場を無事に下り、落ち着いたところでこれから登る子矢筈、矢筈ヶ山を撮る。
そして今下ってきた甲ヶ山もパシリッ!

子矢筈の急な登り下りを越えて振り返り、甲ヶ山と子矢筈を撮る。
しかしながら何とも脆そうな岩肌がむき出しだ。今度また地震が起きたりしたら崩れてしまうんじゃないだろうか…。

(15:28)
矢筈ヶ山山頂。
矢筈ヶ山も見通しが良い。今日一日歩いて大分大山に近づいたぞ。

携帯の電源を入れると電波もしっかり入るので、相方にメールして、つぶやいて、この先の大休峠で電波が入るとも限らないので明日の天気の確認をした。
明日もバッチリ晴れマークだった。

(16:30)
そして本日の終了ポイントの大休峠までたどり着いた。

あまり山っぽくない山スタイルが今年のマイブームだ。


アドバイス通り小屋から少し一向平方面へ下ったところに水場があった。
しかしその出ている水の量は乏しく、ひょっとすると夏場なんかは出なくなるのではと思うくらいだった。

それでも水が手に入ると分かれば安心して晩飯の用意ができる。
ジェットボイルでお湯を沸かてアルファ米を戻し、更に棒ラーメンを作る。

GWなんで小屋は登山者で一杯かと思いきや見事に貸切りだった。
一杯を想定してテントを担ぎ上げてきたが必要なかった。テントよりもアルコールを担ぎ上げればよかったと後悔…。

テントを張ることなく小屋で泊まることにする。こんなに広い小屋なのになぜか隅っこにシュラフを広げてしまう。

アルコールの無い健全な山の夜を楽しくさせてくれたのは、5月2日にNHK-FMで放送された「今日は一日清志郎三昧」という10時間以上の番組をラジオ録音して持ってきたからだ。
誰もいない大休峠避難小屋でRC Successionの歌を一緒になって唄った。ついつい盛り上がって「Oh!RADIO」をリクエストしようとして録音だと思い出して苦笑い。

それでも8時過ぎには寝てしまってた。
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