110616大山地獄谷

ナオキ

2011年08月23日 17:09


   あっという間にお盆の最終日になった。お盆は一日おきに予定があったので遠出は出来ない。しかも夏バテなのかついついだらけてしまい走ってない。
今日こそは走ろう、それも何処かへ出掛けて走ろう。
この時期に暑いところを走るのは嫌だ。出来るだけ涼しいところへ行って走りたいと思うのは当然。そう考えて大山へ向かうことにした。
しかしいざ大山へ行く決めたら行ったことのあるコースじゃないところへ行ってみたいという欲張りな気持ちになり、ふと地獄谷の文字が頭に浮かぶ。

名前が怖くて未だ足を踏み入れていない地獄谷。インターネットやガイドブックではいつも調べていて、いつかは行ってみたいと思っていた。きっとこの暑い時期に川を溯上していくのは気持ちいいはずにちがいない。
そんな訳で今回のコースは地獄谷の溯上をメインにルートを考えた。

倉敷を3時に出発して大山へ向かう。カンカン照りの真夏日を期待していたが伯耆大山は雲の傘を被っていてイマイチな天気なのかも…。携帯で天気予報を確認してみると午前中は曇りで午後から晴れるという予報になっていた。

南光河原の駐車場で登山届を出して川床へと移動する。夏山登山道を登ろうとしている登山者やハイカーが大勢いる。さすがはお盆だ、今日はきっと沢山の人に会えるにちがいない。
初めてのルートなのでで少々不安があったが人に出会って話が聞けるなら心強い。運が良ければ一緒に同行させてくれる方もいたりして。でもペースが違うから無理かな。




   川床の小さい空き地にはまだ一台も車は停まってなかった。デコボコとした空き地なので出来るだけ出し易いところへバックで車を停めて準備をする。

準備をしていると一台の車が空き地に車を停めてご夫婦らしきおじさんとおばさんが車から降りてきてそのままバックパックを背負いあっという間に入山していった。しっかり準備をしてきていると直ぐに入山できるのね。
トレイルランニングの用意って殆どなくてただ着替えるぐらいなのに、何でオイはこんなに時間がかかってしまうのだろう…。

オイも準備を急がねばと焦っていると何だかだんだんお腹が痛くなってきた。出来るだけいいコンディションで山に入りたいので一旦車を走らせてトイレに向かう。
トイレに行ってる間に空き地が車でいっぱいになっていたらどうしようなんて考えていたが、スッキリして再び川床の空き地に急いで戻っってみたが車は1台も増えてなかった。夏山登山道と違って人気ないんだなぁ。


予定よりも30分以上遅れて6時34分にやっと川床より入山。
最近ずっとサボり気味で走っていなかったのであまり飛ばさずに早歩きくらいのペースで登る。それでも直ぐに息があがってしまう。全く根性のない身体だ。

今回の格好は上はいつものようにノースリーブのランシャツだが、下は藪っぽいところなんかも通ると思って速乾の長パンツに地下足袋スタイルにした。
いつもは短パンにVFFで走っているので下半身がいつも以上に暑く感じてしまう。

しばらくすると先ほど駐車場で先に出発されたご夫婦に追いついた。出来るだけ大きい足音を立てて気配を出して驚かれないように後ろからご挨拶させていただきそのまま追い越した。


7時21分大休峠の避難小屋に着く。いまいちペースが上がらなかった。やはりサボり気味で練習不足な自分の状態が良く分かる。

大休峠から見える大山は相変わらずドドーンと雲に覆われていて少しがっかり。天気が回復しそうだったら途中から大山の尾根へと登るルートにしてもいいかななどと思っていたが却下。それより天候がこれ以上悪くならないか心配だった。

大休峠から大休口まではずっと下りなのでやっと少しスピードを出して走ることができる。ただそれほど広くないシングルトラックのトレイルなので、走るときも前方から登山者やハイカーがが登ってきていないかをしっかり注意する。
しかし大休口まで誰にも会うことはなかった。


7時47分大休口到着。やっぱり下りはしっかりスピードを出せて気持ちよかった。あっという間に大休口に着いてしまった。

地下足袋でのトレランはほぼ初めてだったが、VFFと同様にトレイルの状態をしっかり把握して上手く着地していかないと石や木の根を踏んで足裏が痛くなってしまう。
今回の下りはしっかり意識して膝のクッションを使って足裏への衝撃を吸収しながらテンポよく下ることができたので満足だ。

大休口の分岐地点から地獄谷へと下る。いよいよ初めてのルート突入となる。少し不安だった天気も大丈夫そうなので一安心。ワクワクしながら地獄谷へと続くトレイルを駆け下りる。





   いよいよこれより地獄谷の遡上となる。ガイドブックに無理に飛石を伝って川を渡ると危険である。石は滑りやすいので、靴のまま水の中を歩いて渡った方が安全で確実とあったので、その忠告を忠実に守り、地獄谷に着くや否やザブンッと川の中に入る。
まぁホントはここまで走ってきて暑かったので水に浸かったのだけどね。。
手拭いを濡らして頭から水浴びをする。最高に気持ちがいい!!

本当は川の両岸にある濡れていないルートを見つけながら遡上していくのだろうが、どうせ渡渉する際に濡れてしまうのだからとオイは川の中をジャバジャバと遡上していく。極端に深くなってそうなところだけ左右の岸に巻く。
これだとあまり何も考えなくていいので楽チン!


ただ堰堤を越えるところが少々厄介な場所だった。それでも堰堤のどちら側かの端にはしごやロープを垂らしてくれているので問題ない。
しかしここもガイドブックにロープに全体重をあずけて登ると切れた場合に危険なので、あくまで補助として使うこととあったので、やはりその忠告を守りロープを使わないようにして登る。
意地でもロープには頼らないぞと気合いで登ってると片足がつるっと滑って焦った。右手のホールドがガバでよかった。多少はロープを使ったほうが安全だったww

こうやってよじ登ってるとまたクライミングがしたくなってきた。最近めっきりご無沙汰してしまっているクライミング…。きっと全然登れなくなってるんだろうな。



(野田滝)



(夫婦滝)

(魚断ノ滝)

夫婦滝が見えたらもう直に駒鳥小屋とあったが、どうやら駒鳥小屋に気付かずそのまま遡上して魚断ノ滝まで来てしまい、どうにも滝を越えるルートが見つからなかったのでそこで行き過ぎていることに気付いた。

行き過ぎて戻らなければならないとなると急にやる気がなくなる。まぁ奥がどんなになっているのかと魚断ノ滝を見るために登ってきたのさ、なんて無理やりに理由をつけて誤魔化す。
それでも気持ちが上がらないので岩に腰掛けおにぎりを1つ頬張って落ち着く。

11時10分駒鳥小屋まで戻ってきた。ここで地獄谷の溯行は終了となる。
大休口から駒鳥小屋までの地獄谷の遡上3時間20分少々。山と高原地図のコースタイムが3時間30分とあったので行き過ぎて魚断ノ滝まで行ってしまったロスがあるけど時間がかかりすぎた気がする。
走れるようなルートではないことは分かっていたけどちょっと残念な感じ。次回は2時間半くらいで通り抜けれたらいいのにな。




   地獄谷の遡上で結構時間を食ってしまったのでここから挽回しようと駒鳥小屋から勢いよく鳥越峠まで登る。トレイルは細く悪路で気持ちよくは登れない。
せっかく川で水浴びして涼しく爽快でさっぱりしていた身体がいっぺんに汗ダラダラでベトベトになってしまった。

11時42分に鳥越峠に着く。本当はここからキリン峠へ登ってみたかったのだが、天気がイマイチなので登ってもあまり展望が望めそうになかったのでそのまま下山する。


鳥越峠から文珠越を越えて三の沢に出るルートを進むが、ここはあまり人気がないのか非常に藪い。蒸し暑いけれど我慢して長袖の上着を着て藪をかき分けながら走る。
藪いトレイルを走っていると足元がよく見えないのでいつも以上に足元に集中して走る。足元に集中していると思い切り太い木の枝で額を痛打する。星さまがチラチラと見えた。


(文鳥水)

12時30分ようやく大山環状道路まで出る。全身汗でグッチョリ。
結局出会った人は最初のご夫婦だけだった。お盆だからそれなりに人に出会えるかなと期待してみたが、メジャーでないルートはこんなもんなのね。お陰で静かな山歩き(走り)をすることが出来た。

環状道路へ無事に下山出来たことでホッと安心したけれど、それでもここからスタート地点の川床まではまだまだ距離がある。
ここからはロードだし頑張って走らなければと三の沢・二の沢・一の沢と車が多く通る環状道路を走って横手道の南口から横手道へエスケープする。やはりロードは面白くない。

横手道に入って今度はの小石のトレイルを走る。枡水高原では家族連れがこの人何やってるんだろうと不思議そうな顔でコチラをチラ見する。ノースリーブのランシャツ着て下は地下足袋履いてる奴がハァハァ言いながら一人で走ってきたらそりゃ変だわな。

大山寺まで戻ってくると大勢の登山者やハイカーで相変わらず大賑わいだった。雲に覆われていて景色も望めそうにないけれどそれでも夏山登山道は大人気だ。
色が色々と散らかった山ガールや山ボーイ達も大勢いる。失礼かもしれないがどうもチンドン屋のような気がしてならない。
逆に変態の匂いを出してる山ザールな方は見当たらなかった。

大山中の原・国際と再びアスファルトの道路を走って下ってやっとこさ川床まで戻る。山と高原地図を見れば大山国際辺りから川床へ続くトレイルがあってロードをパスできるようになっていたが走っていたため気付かなかった。



   13時46分川床まで戻ってきて本日の山行終了。7時間12分、26.81kmの山行だった。
急いで車にバックパックの中の荷物を置いて阿弥陀川の河原に下りてジャブジャブと入水!全身浸かってワンウォッシュする。さらにバックパックや地下足袋もワンウォッシュ。冷たくて最高に気持ちいい。

パンツ一丁で水浴びしていると阿弥陀川で沢遊びをしていた大人と子供の10人くらいのパーティが沢を登ってきてドーンと遭遇して変な目で見られる。
少々気まずかったので洗ったウエアを濡れたバックパックに詰め込んでパン一でバックパックを背負ってソソクサ車へと戻った。


帰宅してログをガーミンコネクトにアップしてみると今回走ったルートも大山を周回しているんだなということに気付く。
地獄谷はゴロゴロとした岩場が多いのでなかなか走れないけれど、代わりによじ登ったりするので上半身をしっかり使うことになり、この周回コースは全身が程よく筋肉痛になる気持ちいいコースだった。


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